/森羅万象学校 /2006-07-25/

Habitable Planet の形成と進化 (1):
Introduction

阿部 豊(東大・理)
2006 年 7 月 26 日
タイトルぺージ


講義予定


太陽形外の惑星系


太陽形外の惑星


Habitable Condition vs Continuously Habitable Condition
  • Habitable Condition: 一瞬でも生命が生存できる条件.
    • 以下では「短期的生存可能条件」とする.
  • Continuously Habitable Condition: ある程度長期間生命が生存できる条件.
    • 以下では「連続的生存可能条件」とする.
  • Habitable Condition について
    • 本当の条件ははっきりしない.
    • 以下 「Habitable Condition = 液体の水が存在する条件」として議論する.
    • 詳細は後述.


H2O の普遍性
  • 太陽系元素存在度(Solar)と C1 コンドライトの組成との比較
  • H2O は存在度の大きな元素 (H, O) から構成されている
  • O は星の元素合成で生成されやすい
    • 元素存在度から考えると H, O とも豊富に存在する.


H2O の特殊性
  • 白丸は分子量, 赤線は融点と沸点を結んだ線
  • 水は
    • 比較的, 分子量が小さい
    • その割に融点・沸点が高い
      -> 液体として存在できる範囲が広い
  • 生命は化学反応によりその存在を維持していることを考えると, 水を媒質とした物質輸送は生命にとって都合がよい
    • 物質の濃度を高めることができる (気体では薄い)
    • 動きやすい (高分子では動きにくい)


  • 水の存在は生命の存在にとって都合がよい
  • 水の存在を Habitable の条件とする, という立場に立つ
  • Open Space で生存する生命だけを考える
    • Open Space で生存する生命 => 太陽の光を浴びて活動し, 地球のように惑星表層の水によって生きる生命を想定
      • いろいろな生命を考えるときりがないので, 適当に制限する
      • エウロパの氷中に存在する(かもしれない)ような生命は考慮しない
      • どのような生命の生存を考えるかによって, Habitable condition は異なる.


水を持つ惑星形成の条件
  • 3, 2, 1 の順番に解説
  • 3, 2, 1 の順に不確定性が大きくなる


Habitable Zone
中心星からの距離で定めた, 生存可能条件を満たしている領域
  • この講義では「液体の水が表層環境に存在する, 中心星からの距離」
    • Kasting 他 (1993) による議論
  • 内側限界 = H2O の散逸
    • 暴走温室の限界
  • 外側限界 = CO2の凝縮


ODAKA Masatsugu, SUGIYAMA Ko-ichiro & SASAKI Youhei 2006-10-25